川崎協同こどもクリニックは、
子どもの健康と成長を見守り、安心・安全な日常医療活動を行っています。

 
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予防接種

危険な病気の防波堤

 予防接種の目的とは病気(感染症)を予防することです。と、書いてみてもあまりに当たり前に感じられるでしょうが、予防接種が果たしている役割の大きさについて、少し説明いたします。

忘れられた病気が突然流行する・・・

 人間には、体内に異物が入ったときに、それを認識して、覚え、次にその異物が入ってきたときに攻撃して、病気の原因にならないようにする機能が備わっています。これを免疫(病気をのがれる)と一般的に言います。
 予防接種とはわざと体内に、弱くした病気の原因となるウィルスや細菌(これをワクチンといいます)を注射して、免疫機能を利用してその病気にかからないように準備をしているのです。なぜ、そんなことをわざわざしているかというと、予防接種を行っている病気の多くが、かかってしまったときに有効な治療法がなかったり、命に関わるような症状や後遺症を残すためです。
 ワクチンが開発されたことで、過去に恐れられていた多くの伝染病の流行が減り一般の人にはそのような病気は地上から消え去ったと錯覚させるまでになりました。しかし、これまで忘れられそうになっていた病気が突然流行することも時々起こっています。日本でも70年代に三種混合ワクチンの一時中止により、1979年に全国で百日咳が流行しました。この流行の後、以前と同じレベルに百日咳がなくなるには5年近くかかりました。

接種は勧められている期間中に

 つまり、今のお子さんたちが危険な病気にかからないのは、予防接種という大きな防波堤に守られているともいえます。予防接種をしない人が増えることは、イコール防波堤に穴が開いて、病気が世の中に漏れだしていくことを意味しています。予防接種を行うことが、自分の子どもを守るだけではなく、地域全体の子ども、さらには日本中の子どもを守ることにもつながる貴い行為だと思って、注射嫌いのお子さんたちを病院に連れてきて下さい。(お子さんたちに恨まれるので、ホントは僕も注射をするのは大嫌いです。なるべく痛くないように努力させていただきますが)
 予防接種は何回かに分けて行われていますが、それぞれの年齢に対して危険な病気を想定しているため、できるだけ勧められている期間に接種してあげて下さい。

小児科 高村 彰夫  2007.4.10





赤ちゃん教室開催
 
  毎月第4金曜日にクリニックの2階で赤ちゃんを連れたお母さんたちが集まっています。内容は、<離乳食前期><予 防接種の話し><赤ちゃん体操><離乳食後期>の4回シリーズです。その後も,「サークルをつくってみませんか?」と の呼びかけに答えて、今年の4月から7月まで参加したお母さんたちが、連絡をとりあっています。
  8月25日(金)から新メンバーで離乳食前期の教室がはじまりました。18組の母子があつまり、栄養士から話しを  聞いたり、離乳食の試食をしたり、終わってからもおしゃべりしていく人、クリニックで身長・体重を計っていく人もいて 、にぎやかにすごしました。

 小児科 林 なをみ





抗生物質の適正な使用を

小児呼吸器感染症ガイドラインで明示

「小児の風邪も抗菌薬は厳禁」

二〇〇四年十二月号の日経メディカルに、こんなセンセーショナルなタイトルで「小児呼吸器感染症診療ガイドライン二〇〇四」の内容が紹介されていました。「抗生物質も処方して下さい」と希望される保護者の方も多い中で、小児に抗菌薬(抗生物質)は厳禁なの?・・・。小児の風邪や肺炎・気管支炎の治療は今どうなっているのでしょう。

<呼吸器感染症>は感染を起こした場所により、上気道炎と下気道炎に分けられます。

上気道炎

上気道炎は部位によって、鼻咽頭・咽頭扁桃・喉頭に分けられます。鼻・喉頭に感染を起こし、鼻水、咳、喉の痛み、熱などの症状を起こす場合を風邪(症候群)とか、普通感冒と呼んでいます。
原因の大部分はウイルスによるもので、今回のガイドラインでは、「感冒に対しての抗菌薬の使用は有害無益とされ、適応がないとする報告が多い」と明記されています。

下気道炎

下気道炎は気管支炎・肺炎・細気管支炎の他、喘息+気道感染・クルーブ症候群等に分けられ、それぞれ特有の症状を呈します。肺炎だからすぐ入院ではなく、症状や検査で軽症・中等症・重症にわけ、脱水の有無、内服できるか等も配慮し総合的に判断します。
治療には、病気の原因となる菌(起炎菌)をきちんと知ることが必要で、そのために気道分泌物の培養が不可欠です。ガイドラインには原因菌別に推奨する抗菌薬も提示されています。
しかし細菌を培養しないまま抗菌剤を投与されていたため、肺炎の起炎菌が不明になったり、耐性菌(抗生物質の効かない菌)が増加していたりして、肺炎の治療が困難になることがしばしばあります。今の日本では特に、この耐性菌となった肺炎球菌による中耳炎や肺炎や髄膜炎が増加しており、治療の上で問題になっています。

協同こどもクリニックでは、今でも抗菌薬(抗生物質)の適正使用を心がけていましたが、日経メディカルで紹介された記事では、「三十七・五度以上の発熱がある上気道炎の患児のほぼ一〇〇%に抗生物質を投与する」という医師は、調査した一五七名のうち五十八名(三八%)とまだまだ多く、「熱が出たから抗生物質」という考え方は患者だけでなく、医師の側にも根強く残っており、医学的に適正な使い方が普及するには時間がかかりそうです。

小児科 林 なをみ

どうする突然の発熱

大切なのは年齢とこどもの様子

高熱時のチェックポイント

3つ以上あてはまったらすぐ診療

  • 弱く泣く、もしくはかん高く泣く
  • 親があやしても泣き続ける
  • 意識がはっきりしない、すぐにぼーっとする
  • 顔色が蒼白、唇が青い
  • 口の粘膜が感想、目がくぼむ
  • まったく笑わない

突然、さっきまでは元気だったこどもが熱をだした。うーん、いますぐ病院に連れて行くべきか、もう少し様子を見るべきか?特に少子化が進み、初めての子育てなんていうご家庭では、判断がむずかしいことが多いのではないでしょうか。お子さんが熱を出したとき、どんな点に気をつければよいか、今回はこのような不安におこたえします。

熱の高さ自体はあまり大きな問題にはならない

「子供が熱を!」、病院でも○○が使えまーす。(協同病院ではつかえませんが)のCMでも見られるように、たいがいは発熱があっても元気なことが多く(CMでも帰りにプリンが食べたーい、とか言ってますよね)、熱の高さ自体はあまり大きな問題にはならないのです。
よくある親御さんからの質問に「こんなに熱が高くて頭がおかしくなりませんか?」、というのがありますが、四十二度以上になれば危険ですが、基本的にはそうならないように人間の体はできており心配はいりません。では何が判断の基準になるかというと・・・。

年齢によって発熱の原因は異なる

こどもの病気全般に通じることですが、大切なのは年齢とこどもの様子です!何を当たり前のことを!と、お怒りにならずにもう少しお付き合いください。こどもの場合は年齢によって発熱の原因が異なってきます。特に生まれてから三ヶ月以内は、生まれた時にお母さんからもらった良い免疫が残っているため高熱は出にくいのですが、三ヶ月以下のこどもの高熱は、重症感染症の疑いがあるため要注意です。すぐに医療機関におかかりください。三歳を超えればおおむね症状を訴えることができますが、それ以下では表現するのがむずかしいためこどもの元気さ加減が大切になります。
高熱時の具体的なポイントとして上の枠内のものがあげられます。このうちの三つ以上にあてはまる場合は、やはり重い病気が隠れている可能性があるためすぐに医療機関におかかり下さい。

簡単で効果的な対処法

発熱は、小児科受診の際のもっとも多い訴えのため、私たち小児科医は「熱が高くて動かないこどもを見たら重症と思え」と一番最初に教わります。逆に言えば、熱が高くても元気があればまず緊急性はないと、言い切ってしまってもよく、夜中に病院に連れて行く必要はありません。例外的によく熱が出たときにけいれんを起こすお子さんは、別の注意が必要なので、かかりつけの小児科医に相談してください。
熱が出たときの簡単な対処法ですが、よく外来で”ひえ○○”を貼ったお子さんを見ますが、残念ながら熱を下げるという点では全く効果がないので(気持ちよいかもしれませんが)、脇の下や太ももの付け根をを冷やしてあげるのが効果的です。

小児科 高村 彰夫